ポーズより大事なヨガの瞑想効果とは? | 初ヨガ!ダイエット

ヨガで大切にされる3つの要素のうちの1つ「瞑想」。瞑想は何のためにするの?悟りってどういう状態?内観するってどういうこと?禅と瞑想の違いなどをわかりやすくご説明します。

 

瞑想はなんのためにするの?

自分の考えや固定概念に左右されない、客観性とフラットな心を持つため

 

ヨガと瞑想が全く別のものに思っている方も多いかもしれませんが、実はヨガのポーズの数々は瞑想のために行なっているものなんです。

 

ヨガの最終地点は、自分を世の中のものと全て一体化すること。心をフラットにし、物事を客観的に眺め、他者を受け入れ、自分の感情も全て受け入れる。そんな悟りの状態に到達するために、瞑想を行います。

 

ヨガは、元々は坐法でした。座って、目をつむり、ただただ自分の内面と向き合う。しかし、それはあまりにも難しかったために生まれたのがハタヨガを代表とするポーズです。

 

「アーサナ」という言葉は、ポーズではなく「坐法」という意味。ポーズは、とることによって身体を柔軟に、集中力を高めて、そのあとの瞑想へと続ける効果があります。

 

また、ポーズをとっても呼吸が乱れない、どんな姿勢でも瞑想ができるようにするために、様々なポーズで練習をする修行でもあります。
実は「ポーズをとること=瞑想」なんですね。

 

瞑想は、情報過多で外に向いている五感をその時だけはシャットアウトし、自分の内面を見つめる時間です。日々のストレスから解放され、心を綺麗に浄化する清浄機のような役割。

 

どんな物事も客観的に眺め、受け入れる。その状態を日常でも保てるようになると、個人的にはとても生きやすくなったと感じています。

 

悟りとはどういう状態?内観するってどういうこと?

この世の全てのものと一体化すること

 

瞑想の目的である「悟り」とは一体どういう状態なのでしょうか。それは、この世の全てのものと一体化することです。

 

自分と、その他の人、犬や猫などの動物、植物、物、大気など、すべては同一であるという考え。自分の内面に起こる感情や考えもまた同様です。対象との境目がなく、自分の中に大きな一体感を感じるようになること。それが悟りの状態です。ヨガではこの最終段階の状態を「サマディ」といいます。

 

悟りの状態へ達すると、自分の中から幸福感が満ち溢れ、あらゆる人や事象、物に感謝の気持ちを感じるようになります。幸福感で笑いが止まらなくなるほどです。

 

その悟りの状態へ至るために瞑想を行いますが、それは自分を内観する作業。

 

頭に浮かんでくることを浮かんでくるままにし、それに対して感情を持たずに客観的に眺めること。「良い・悪い」や「正しい・間違い」などの二分化で考えるクセを改め、先入観や固定概念で物事を見ないこと。

 

身体面でも同じです。ポーズによって身体がどう反応し、どう変化しているか。「痛い」といった沸き起こる感情も、筋肉、血管、神経、骨格も観察すること。

 

起きた事象そのままを見つめ、無心でそれを感じる。それが自分の内面を見つめる、ということです。

 

科学的には脳はどういう状態になっているの?

瞑想で思いやりの気持ちが生まれ、リラックス状態に

 

2001年にマサチューセッツ総合病院のサラ・ラザール(Sara W.Lazar)によると、瞑想が脳の自己認識、思いやりの分野に急速に変化を生じさせる可能性があることを示しました。

 

実験は、瞑想の未経験者を集め、脳をMRIでスキャンした後に、半分の被験者を8週間で1日平均27分間の瞑想プログラムに参加させ、終了後に再び被験者をMRIでスキャンするというもの。

 

プログラム前と後では、瞑想の参加者は学習や記憶に司る海馬の灰白質密度が高まり、不安やストレスを司る扁桃体の灰白質密度が低下していたそうです。

 

ペンシルバニア大学のアンドリュー・ニューバーグは、深い瞑想状態によって、リラックス時に分泌されるメラトニンやセロトニン濃度は上昇し、ストレスによって分泌されるコルチゾールやアドレナリン濃度は低下していたとの研究結果を出しています。

 

深い祈りを込めた瞑想は、上頭頂葉後部の活動を低下させ、血流を減少させていたとのことです。

 

参考:wikipedia - 瞑想

 

禅と瞑想の違い

禅はヨガの1つの段階を強調したもの

 

インドで「瞑想」を意味する「ディヤーナ」という言葉を漢字では「禅那(ぜんな)」と表します。

 

禅はヨガの瞑想の1つの段階のことであり、ヨガ修行の1つを強調したものです。
お釈迦様の行なった修行もヨガだったことから、元々は同じものだとされています。

 

この「ディヤーナ」がヨガにおけるどの地点かというと、『ヨガスートラ』によると、瞑想は八支則の7番目に位置付けられるもの。

 

ヨガは8つの段階から成り立っており、やってはいけないこと(禁戒)、すべきこと(勧戒)といった道徳的な生き方から、姿勢をただし、呼吸を整えたあと、内観、集中、瞑想、悟りという段階へ至ります。

 

ヨガスートラでは、ディヤーナは「心の動きが止まった状態」と表現されています。

 

プラティヤーハラ(感覚制御・内観)によって、外の感覚をシャットアウトし、ダーラナ(集中)によって、一点への集中力を高め、ディヤーナ(瞑想)によって、自分の中へ集中します。

 

禅では悟りの状態のことを「主客同一」といい、自分と対象との境目がなく1つになった状態のことを表します。

 

実際にやってみよう

瞑想は難しくない

 

瞑想というと、鍛錬を積まなければできないことと思いがちですが、そんなことはありません。

 

最初は5分間、座禅を組んで目を閉じてみることからはじめてみましょう。私のように突然、悟りの境地へ至る方も現れるかもしれません。

鼻と口のどちらで呼吸するのが正しいの?

呼吸法によって異なります

 

一般的にヨガの呼吸では、鼻から吸って鼻から息を吐くものが多いですが、呼吸法によっては口で行う呼吸法も、口から吸って鼻から息を吐く呼吸法もあります。習っている先生が入れば、その流派に合わせて行うとよいでしょう。

 

自然呼吸では、鼻呼吸がおすすめです。
鼻は空気清浄機と加湿器の役目をしてくれます。雑菌やチリ、ホコリをガードし、冬の冷たい空気を温めてから肺に取り入れてくれる素晴らしい器官。ぜひ鼻呼吸をしてください。

 

そして、これは個人的な経験ですが、口呼吸をしていると舌の位置が下がり、歯を押すようになるため歯並びが悪くなります(歯列矯正の先生に教えてもらいました)。それからは意識して鼻呼吸にしていますよ。

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